■住み継がれる住まい
東京都は谷中の住宅地に立つ住宅の改修である。親世代から住み続けた建物を次の世代が住み継ぐに当たり改修する事となったが、元々存在した空気を大切にしながら住み手の生活条件に合致するような新旧融合した空間作りを心掛けた。
■陰影のある壁のような扉
年に2度、親戚の方々が30人程集まる法事を行う家であり、大勢が一堂に会する事ができる空間を要望された。広くても散漫で落ち着かない空間にならぬよう、空間の背骨になるような要素が必要であると考え、バーカウンターや収納、隣の部屋との境の開き戸を、全て同質の全長7mほどの連続した壁のようにデザインした。居間に過ごしていて収納の存在を感じさせないばかりでなく、いろいろな断面形状のタモ材を無数に打ち付けた陰影のある姿は、目に楽しく、空間を引締める役割も担っている。
竣工:2012年7月
所在地:東京都台東区
用途:戸建住宅
施工:関口工務店