■コンパクトな住まいに大きな借景
建ぺい率の関係でプランをコンパクトにまとめる事が必要であった。一方で環境は非常に良く、敷地の東南側は保育園所有の畑があり、さらに奥には神田川の緑道があるため、建ち方によっては周囲の視線をほとんど気にする事なく緑を感じる事が出来る環境であった。そのため、小さい空間ながらも周辺環境を大きく借景しつつ大らかに住まう事を考え、木造の家でありながら大きなパノラマ状の開口部を楽しむ事ができる住まいとした。
■一筆書きの家
一筆描きで柔らかく連続する壁は、個々の生活空間を一連の生活のシーンと共に繋ぎ合わせ、表裏のない統一感をもった住まいになるよう意図している。
■緑のアプローチ
神田川のすぐ側に位置し、過去に川の氾濫によって浸水した事ある敷地である。1階の床を道路より1m程度上げる必要があると判断し、屋外にレベル差を解消するための階段を設けなくてはならなかった。せっかく階段を作るのであれば楽しげで愛嬌のあるアプローチにしたいと考え施主と議論を重ねた結果、施主の希望であった「紅葉のトンネル」が出来上がった。
竣工:2011年3月
所在地:東京都杉並区
構造規模:木造地上2階
用途:戸建住宅
敷地面積:111.58平方メートル
建築面積:44.49平方メートル
延床面積:88.08平方メートル
施工:本間建設