もえぎ野台の家
■ 南面斜面の家
敷地は北側道路に面し、南側に傾斜した形状をしている。敷地の南側には既存樹木が多く残り、住宅地にありながら緑豊かな景色を望むことができる。ここでは、この景色を借景として生活に取り込み、また、傾斜地という敷地の特性を生かした計画を試みた。
■ 未完の家
この家は夫婦二人のための家で、夫がモザイクを用いた壁画作家であることから、住居とアトリエおよび作品の展示場所としての機能が求められた。そして、この家には暖炉等、家主自身の手で施工された箇所があり、さらに今後は、屋外アプローチとそれに続く玄関・階段・ギャラリーの床面は、モザイクや石の作品により少しずつ埋められていく。
■ 段状の配置
北側の道路レベルに、アトリエと住居のパブリックなスペースを配し、南側の斜面下 レベルを、寝室・書斎といったプライベートなスペースとした。この三つのスペースは、家の中央を貫く、斜面をなぞらえた形の動線および作品のためのスペースによってつながれている。
建築知識 2005年5月号 掲載
工藤晴也壁画造形ホームページ
竣 工:2004年11月
所 在 地 :茨城県北相馬郡もえぎ野台
構造規模:木造一部鉄筋コンクリート造
用 途:アトリエ併用住宅
建築面積:220.14平方メートル
延床面積:214.38平方メートル
施 工:グローバル建設株式会社