青葉台の家
■ 高台の角に建つ住宅
ターミナル駅から程近い高台の角にあり、南に向かって180°眺望の開けた敷地である。南側隣地との高低差は5m、東側前面 道路とは3〜4mあるため地階は擁壁と一体となって人工地盤を形成している。敷地北側の高台と連続する地盤の上部は屋上緑化され、地上階は落ち着きのある、自然に囲まれた居住環境となっている。
■ 地階からそびえる2枚の壁
道路側の擁壁に空けられた開口部から2階まで2枚の厚い壁がそびえ立ち、壁の間はワンルームの大空間となっている。製作品ボーダータイルで仕上げられた2枚の壁はフレームレスサッシュによって内外連続しており、道路から敷地中央部に設けられた中庭に向かう透過性の高い空間とすることが出来た。道路側サッシュ前面 には菱形断面の陶製ルーバーが設けられ、重厚さと軽快さを併せ持つ表情が与えられている。
■豊かな多様性を持つ仕上材料
骨材を混入した幅の広い塗り目地、ラフ面仕上の製作品ボーダータイルはコントラストが極力抑えられ、素材そのものの違いが味わえるよう配慮した。更にタイルと同じ土で製作された陶製ルーバー、塗り目地材と同色のマジックコート、ベージュ味を帯びたコンクリート打放しと小叩き仕上、室内の珪藻土やフローリングなど多くの材料を使い分けながらもそれぞれのトーンが揃えられており、全体として上品な統一感を醸し出すと共に、一つ一つの素材としての表情がより強調され豊かな多様性を持たせることに成功している。
建築知識2004.05 掲載
竣 工:2003年8月
所 在 地 :東京都目黒区
構造規模:RC造地上2階地下1階
用 途:住宅
建築面積:63.45平方メートル
延床面積:123.75平方メートル
施 工:岩本組