鵠沼の家
昔ながらの湘南の雰囲気が色濃く残る鵠沼の閑静な住宅地にあり、黒松の巨木が敷地を見下ろす。自然と素朴さをキーワードに、伝統建築の手法と独自のモダン感覚を融合させた。素材には特にこだわり、20cm×24cmの米松の通 し柱を骨格とし、内外とも珪藻土をふんだんに塗り上げ、楢無垢板の床、薩摩葦の天井、土間の芦野石と本物を重視した。建物を分断するようにある通 り土間は、奥へ誘うように斜めに絞りながら空間同士を繋ぐ。本来、土間は外部と繋ぐものとして、自然の恵みとの接点であり、作業の場であったと考えるが、今のライフスタイルに合わせた新しい土間を形にした。メインスペースとしてのリビングダイニングは自然を取込む開放性を有し、風と対話できるような空間とした。2階にはプライベートスペースを配し、それぞれをブリッジで繋ぐことで空間に流動性を生むことができた。
ニューハウス2003年2月号掲載
竣 工 :2001年4月
所 在 地 :神奈川県藤沢市
構造規模:木造2階建
敷地面積:361.58平方メートル
建築面積:136.73平方メートル
延床面積:218.48平方メートル
施 工:イシマ