コンクリートの箱の中に「屋内の庭=インナーコート」を持つ家である。 打放しのシンプルではあるが閉鎖的な印象もあたえる外観に対して、内部は極めて高い開放性を有する。 乳白のガラスブロックによるスリットが外観のアクセントであると同時に、外部の視線を遮断しつつ内部にやわらかな光を与える。 1階はリビング−インナーコート−ダイニングのワンルームに近いプランで、白い大判のタイル貼とした。南面 の大きな開口が豊富な自然光を満たし、内部でありながら外部の中庭にいるような錯覚をもたらす。この大空間に施主の家族、友人ら人々が集う。 また、長さ3mのダイニングテーブルは、シナ積層によるオリジナルデザインであり、空間の中で存在感を示す。 2階はコルクタイル貼としてプライベートな空間であることを強調し、インナーコートによって分断される空間をブリッジによって繋ぐ。
新しい住まいの設計2000年12月号掲載
週間朝日2001年3月2日号掲載