09多世帯住宅 世帯間の距離感を大切にする
一つの敷地に2世帯、3世帯といった多世帯で住むケースは、特に土地の貴重な都市部で、より多く見られるようになってきている。住まい手が肉親どうしで、いくら親しい間柄とはいっても、生活の時間帯も違うし、また生活そのものに対する価値観なども異なるのは当然のことである。お互いにストレスなく生活していくために、最も大切になるのは、その「世帯間の距離感」にあると考える。この距離感の取り方はケースバイケースで、どのような関係の家族が住むのか、またそこに住む人の性格によっても、「距離」をどのように設定するかは異なってくる。始めから、こうすればよいといった正解はなく、いわば無数の答えが存在するのである。
家族の関係はとてもデリケートなものだと思うが、よくその部分を読み解いて、設計の中に生かしていくことが重要である。