01住宅のかたち 骨格のしっかりした住宅をつくる
住宅のプランニングで最も重要なことは、その骨格を決めることである。ここで、骨格と言っているのは、構造の骨組みだけではなく、それも含めた住宅のスペース全体の構成のことを指している。建物の基本となる「かた」とも言うべきもので、建て主の要望、敷地の条件、周辺の環境など、さまざまなものを読み解いて、最もふさわしい解答を導き出すべきものである。これがうまくできるかどうかで、よい住宅になるかどうかの半分以上が決まってしまうと言っても過言ではない。
よい住宅は明快で単純な構成をもっている。シンプルでありながら機能的にも破綻がなく、またインテリアとエクステリアが自然と結びつき、さまざまな生活のシーンを無理なく受け止めることのできる住まいをつくり出すことが、設計者に求められていると考える。