自然素材のサッシュ
自然素材を使用した住空間ということを考えた場合、ポイントになるのはそれをどの部位に使用するかということだと思います。自然素材を使用するということ は、とりもなおさず「本物の材料にこだわる」ということで、ある意味それはコストのかかる方向にどうしてもなりがちです。
最も優先順位が高いのは、「体の触れる場所」に自然素材を使用することではないでしょうか。まず第一に体に触れる部位とは、「床」でしょうが、その次に考 えられるのは「建具、サッシュ」だと思います。伊藤邸ではこの部分に着目し、外部と内部をつなぐ装置としての建具に木を使用し、自然塗料仕上としていま す。
この住宅は、外部のリビングともいえる中庭空間が家のシンボルスペースとなっています。その内部と外部をつなぐ建具に自然素材である木のサッシュを使用することで、外と内の連続性がより自然な形で確保できたと考えています。
ニューハウス 2005.11月号