メゾンエルメスの展覧会に行ってきました。
銀座のエルメスと聞けばガラスブロックの外壁で覆われた
特徴的な外観がイメージできるかと思います。
建築に興味のある方ならご存知かもしれませんが、
イタリアを代表する建築家 レンゾ・ピアノが設計した
建築物としても有名です。
昼間に遠くから眺めるとガラスブロックが鈍く輝き、重く、ドシっと
した存在感があり、そして、近づいていくと今度は建物の内部が
徐々に透けて見えてきてむしろ透明感のある、キラキラとした軽快
な建物に変化します。
夜は店内の光を街に対してやわらかく漏らし、まるでランタンのように
変化したりと、様々な表情がありすばらしい建築であると思います。
高級ブランドのお店は入りづらいものですが、実はメゾンエルメスには
ショップ以外に展覧会を開くフォーラムや映画館(予約制)、
小さな博物館が入っていたりしますから、ぷらっと入っても意外と楽しめます。
先日行った展覧会はジャネット・カーディフ & ジョージ・ビュレス・ミラー 展というもので
「The Forty-Part Motet 40 声のモテット」という作品が本当に
すばらしいものでした。
「The Forty-Part Motet 40 声のモテット」(2001 年制作)は、40のパートから成る楽曲のサウンド・インスタレーションです。会場に並べられた40個のスピーカーひとつひとつから、各パートを受け持つ歌い手の声が発せられ、観客は、それぞれの歌い手の間を自由に歩き回るような体験ができます。楽曲の進行とともに音は融合し、やがて空間に反響するひとつの歌声となるとき、我々は目の前のスピーカーが音を発しているという単純な視覚的事実から解放されていきます。アメリカやヨーロッパをはじめとする、どの会場でも、音がその場所の特性を投影し共鳴させる本作品、今回、日本では初めての公開となります。
楕円に並べられたスピーカーの中に座るとまるで音に形があるような感覚になり、
音の奥行きのようなものを感じることが出来ました。
音に包まれるという体験をはじめてしました。
本当にいいインスタレーションでしたし、純粋に本当に贅沢な体験でした。
会期はまもなく終了してしまいますので、気になる方は是非メゾンエルメスまで
足を運んで見てください。