川越氷川神社の裏手、洗濯物がたなびく住宅街の真ん中に ヤオコー川越美術館(三栖右嗣記念館)はある。日常が溢れ、美術館の立地条件としては決して恵まれていないこの地に、設計者である伊東豊雄氏はいかに非日常を演出し、画家個人を表現できるかが設計のテーマにして計画したのでは と思われる。
10m四方の部屋を4つ組み合わせただけのシンプルな構成ながら、天井の形状や照明・採光の工夫により次第に非日常の世界に引込まれるシークエンスはさすがである。ラウンジに展示してある しだれ桜を描いた『爛漫』は圧巻で、すがすがしい気分になれる美術館だった。
観賞後、ラウンジで珈琲を味わっていると、隣席の老夫婦の会話が聴こえた。
「本物よりきれいだね」    (kazu)

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主に東欧の珍しいおもちゃを集めたお店で、思いがけずぬいぐるみに目が留まってしまいました。高さ5cmほどの文字通り手乗りサイズのものですが、生き生きとした愛嬌を湛えています。鳥が好きな祖母へのクリスマスプレゼントにする事にしました。

ぬいぐるみをはじめて作ったとされ、テディベアで有名なドイツの「シュタイフ社」の東ドイツ時代のビンテージだそうす。職人の手作業で、1つ1つの表情が違っています。極端なデフォルメや擬人化したキャラクターとせずに愛嬌を込める作り手の姿勢に感じるものがあります。


同じお店で見た、東欧から買い付けたおもちゃの家具だそうです。キッチンセットの高さが20cmくらいです。これも手仕事で良くできており、全ての引出や扉はしっかりと開くようになっています。
女の子ならきっと中におもちゃのアクセサリーなど隠したくなりますね。


周りの人の出産祝いなどで、子供の頃以来おもちゃを真剣に選ぶ機会があり、昔と違って作り手の立場でおもちゃを見るようになってみると、良く考え抜かれているなあと感じる事が多いです。
住宅建築において長く愛される愛嬌のある空間ってどんなものだろうと考える思わぬきっかけでした。

(choina)

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遅い夏休みで両親の実家である熊本に帰りました。祖母の住む熊本市内から鹿児島に程近い人吉市まで一昨年よりSLが復活しているという事を知り、乗って来ました。
週末のみでしかも一日往復1本しか走っていないので、熊本からの行きの切符はとれず、何とかとれた帰りに乗る事にしました。線路は急流下りでも有名な琉摩川と併走する形で、まずは人吉の山あいを走り抜けます。




途中、山あいの駅で10分ほどの休憩があり、ここぞとばかりに写真をとりまくりました。黒光りして何とも言えず無骨で美しい姿です。




イベント事の1つとなめていましたが、動力は完全に石炭のみだそうです。
また、車内のデザインもとても良くできており、「レトロ」という言葉が先行してしまったような鼻持ちならないデザインではなく、非常にバランスのとれた内装だと思いました。




車両ごとに樹種が違いますが、こちらはローズウッドを贅沢に使った座席です。床はフローリング。




先頭車両と最後尾はラウンジ席になっています。




SLは山あいを抜けると最後に田園風景を走り、熊本駅に到着します。




しかしなんといっても圧巻だったのが運転席でした。「機械」ってかっこいい。。。

何か非常に愛着を持つ事ができ、情が移るような感じを受けました。僕を含め乗客の人たちは子供のように目を輝かせていましたし、実際に車で追いかけてくる「追っかけ」の方々もいました。
「シュシュポッポ」という完全に一定ではなく、あるゆらぎを持った煙を吐く音、汽笛の音、それに機能がそのまま形になった用の美。そういったもののせいか生き物と接しているような錯覚がしました。全国には他にも3~4程のSLがあるようですが、おすすめです。
(choina)



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お盆休みに実家に帰省した際に、父親の実家がある岐阜県郡上八幡に行って来ました。
郡上八幡はお盆の期間中は、夜の8時~朝の5時まで途切れる事無く、延々と盆踊りを
踊ります。独特のリズムでげたを地面にコツコツと当てて、踊利ながらも手の指先は
滑らかに曲線を描いて、大勢の人々が一体になって踊る様は、物凄い迫力でした。
見物客も次第につられて踊り始めます。
街の雰囲気も良く、涼しい気候と共に、リフレッシュできました(USU)。
川原の街並みは石垣が連続して、独特の雰囲気でした。

街中に盆踊りの提灯が灯っていました。

橋の赤い色が印象的でした。

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ミツバツツジは本来樹林に自生する野生種のツツジである。春先の葉が芽吹く前に花が咲くため、その存在感は周辺の環境の中で特に引き立つ。我々の事務所で設計する造園計画にもよく登場する樹木であるが、その春先の存在感と自然樹形のバランスの良さに期待してのことである。

同時期に開花する鬱金(ウコン)のサクラである。花に緑の色素が混じっているため、ピンクの他種のサクラの中にあって、ひときわ存在感を放つ。園芸種であるためか、やや自然の中で人工的な印象がぬぐえないと思えるのは自分だけであろうか。(sugi)
新宿御苑にて

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先日、早起きして高崎に出かけました。レーモンド設計の井上房一郎邸です。


美しくかけられた屋根によってもたらされる気持ちのいい天井高さの変化と、丁寧にデザインされた造作家具による居場所の作り方が大変素晴らしいです。思わず長い間実測し続けてしまいました。
また、現在で言う所の全館空調に取り組んでいるのですが、意匠だけにかたよらず、住宅そのものの居心地を追求する作家としての姿勢に大変刺激されます。






また、前川國男自邸などもそうですが、この時代の良い住宅からは、空間に生き生きとした表情をつける方法の巧みさについて毎回勉強させられます。




(choina)

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謹んで 新春のお慶びを申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

今年最初のブログとしては、ありきたりですが初詣の風景を・・・

混雑を覚悟しつつ元旦の浅草寺に行ってきました。仲見世でつい買ってしまった人形焼きをほうばりながら参拝の順番待ちをするわけですが、結構スムーズな流れ。仲見世は外部にもかかわらず明るく活気もあり暖かく、待ち時間も楽しく感じられました。警察の誘導でベルトコンベアー式に境内に入ると巨大な賽銭箱?
賽銭箱の中にも警官が立っていて厳戒体制。まあこれが都心の初詣かなという感じです。結局、30分もかからずに参拝終了。神様・仏様もこれだけ多くの人の願いをかなえるのは大変ですね (@_@)



ついでに隅田川を挟んで反対側のスカイツリー!足元の護岸の整備も進められているようで竣工すれば賑わうことでしょう。浅草からのアクセスが魅力ある空間になれば東京が誇れる観光地になるように思います。
(kazu)

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今年もあと一月となりました。
仕事の中でも、個人的にもいくつかの大事な出会いがありました。
いきなりですが今日はその番外編をご報告します。


淡路島の海岸にて、体長1.5mはあろうかというエイです。
生まれて初めて野生のエイを見ました。




山で出会った野生のうり坊です。食べ物を与えている人がいるのでしょうか。
すぐ傍まで寄って来ました。



近所で出会った飼い犬ならぬ飼い豚です。
普段は皆が眠静まった明け方に散歩をしています。


来年はどんな出会いがあるでしょうか。




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昨今の環境問題は建築界への影響も多大でヒートアイランド現象対策や環境負荷低減は不可欠となっています。そんな折、壁面緑化した建物を見かけることも多くなりましたが・・・

「なんだこれは!」5階にも届く一面の緑のカーテン! まあ直射日光による冷房負荷は減ると思いますが、逆に室内が暗くなってしまって照明負荷は増えそうな・・・・。あとメンテナンスも大変そうだな〜 虫はこないのかな〜外壁に影響ないのかな〜と感心するよりも疑問点の方が多いのは私だけでしょうか?

本当に環境のためになってるんですよね? 杉○区役所さん!

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先日房総半島の長南町という所に行く機会がありました。目的地は別にありました
が、ついでにどこかおもしろい所はないだろうかと地元で聞いてみた所、「笠森寺」
という所を教えて頂きました。
ついでだったので特に期待をしていなかったのですが、思いがけず興味深い建築
を見ることが出来ました。


この「観音堂」という建物は、一度焼けているので1590年代に再建されているよう
ですが、元は1028年に建てられた天台宗の建物です。
「四方懸造り」といって、日本ではこの建物だけしかない形式ですが、簡単に言うと
四角形の平面プランの建物の全ての面が崖に面して建っています。

力強い架構が崖の上にしっかりと根を張って、何か樹木の力強さをそのまま建物にした
ようにも見えます。

アプローチは長い階段をずっと登らされますが、登りきった所で一度建物の全景を見せ
られる作りになっており、どのように建っているかを知らされた状態で建物の中に入
って行くことになるので、非常に緊張感があります。この辺りの演出は建てた人の計算
にしっかり入っていると思います。


また、邪推かもしれませんが二世安藤広重の描いた浮世絵を見ていると、この建物に
は意図的にスリルを面白がらせる遊び心が潜んでいるようにも思えました。

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