静岡市にある駿府教会を見てきました。
4年前に西沢大良氏設計で建てられた、小さなキリスト教プロテスタントの教会です。
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線路沿いの角地に、立方体の木の箱が置かれたような佇まいです。
外壁はレッドシダーの割木が張られており、光の当る角度によって表面の凹凸が様々な表情を見せています。
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内部はパイン材の目透かし張りで、天井にいくほど板幅が狭くなり、上部のトップライトからの光が室内に降り注ぐようになっています。
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ローコストで建てるために構造は木造にしたようですが、静けさを求める教会内の音の問題は、壁と天井内部に木造トラスを組んで2重皮膜構造とし、その間で遮音・吸音をおこなう事で解消しているようです。天井を見上げるとトラス越しにトップライトが見えます。
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穏やかな光で満たされた温かみのある教会建築です。
環境条件と限られたコストの中で、設計者の創意工夫が感じられる建物でした。(aki)

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少し前ですが、横浜市にある三溪園を見てまいりました。
三溪園は明治から昭和にかけての実業家でもあり文化人でもある原三渓氏によって作られた日本庭園です。今回は期間限定公開となっている臨春閣と聴秋閣を目的に見てまいりました。
臨春閣は桂離宮同じく数奇屋建築の代表例として良く紹介されますが、個人的に聴秋閣がツボでしたので紹介したいと思います。


外観です。2階から庭園を望む楼閣建築として、資料によっては茶席として紹介されている事もあります。小さな建築ですが三つの屋根が非対称的に重なり、見る方向によって平面的に見えたり縦長に見えたり、斜めが強調されたりして面白い外観となっています。

間取り図です。シンプルとは言えない平面がユニークな外観や屋根の形を作り出しているようにも感じます。


建物入り口は、畳の間より一段低く木製タイルが敷き詰められています。このスペースは池から直接船で入れる「舟入の間」を趣向を彩ったものです。同例として京都、高台寺の傘亭も有名ですが聴秋閣はタイルや欄間などデザインの意図性が強調されてるような印象です。


内部の細かい装飾もどこか今の人にも受けそうな愛嬌のあるデザインが見れます。

他にも三渓園内は季節ごとに特別公開される建築が多くあり、一年通して見所が散りばめられています。

Mata

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連休中に新潟県糸魚川市になる『谷村美術館』を見て来ました。
村野藤吾氏の晩年の作品です。エッジ部がほとんどアールに
なっていて、光が壁面をなめるように柔らかくて自然光のみで、
撮影させて頂きました。
木彫芸術の第一人者である、澤田政廣氏の作品が内部に展示
されています。設計当初から展示する彫刻に合わせて空間を
考えて開口部の配置をスタディーしたいたようです。
次の展示室へのサインとして彫刻がチラッと見えることで
自然と導かれていきます。
コンセプトが明確な素敵な美術館でした。(USU)

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以前、彰国社のディテールで編集をご一緒した建築家・篠崎好明氏にお誘いただき、氏の最近作を直々にご案内いただき、拝見する機会があった。いつもながらのコンクリートのシャープなディテールは、以前にも増して凄みすら感じるものであった。今年72歳だからこれから黄昏れてゆく等と冗談を言っておられたが、建築の円熟味と完成度は、一つひつとの小さな事の積み重ねの重要性を教えてくれた。(sugi)

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以前設計した「辻堂の家」が、雑誌「ディテール」に掲載される事になり、この度取材と撮影がありました。久しぶり(5年ぶりくらい)に訪問しましたが、壁や床の木の色が大分濃い色にエイジングしていました。無垢の木を使用していますが、やはり時間が経つとその良さがわかります。
取材は「テント屋根」についてのもので、屋根自体は竣工当時より少し汚れはついていましたが、相変わらず美しい空の光を室内に導いてくれていました。
なにより、とてもきれいに住んでいただいているのが、設計者冥利につきます。(SUGI)

竣工当時の写真と比べると、大分色が落ち着いてきているのがわかります。
この椅子は杉浦事務所オリジナルデザインのものです。

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東久留米の知的障害者入所更生施設「ライフパートナーこぶし」は、竣工後12年を経過し、外装の汚れが目立ってきたため、洗浄・吹き替え・塗装工事を行ない、見違えるほどきれいになりました。

内装もだいぶ傷んでいる部分もあるのですが、見学にこられるかたから、「この建物は雰囲気がいいですね」とのご意見を頂戴する とのことで、施設特有の病院的な雰囲気を排除し、あくまでも家庭の延長線上の「我が家」であることを設計コンセプトとしたことを、12年経った今でも評価頂けていることに感謝いたします。   (KAZU)

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2012年の初めにふさわしい写真を ということで、昨年末に訪れた奈良の薬師寺です。

国宝である薬師寺の東塔は、創建時から1300年の年月を重ね、その老巧化から将来に残すための改修工事に踏み切ったようですが、平成30年までの長期に渡り、解体・修理が行なわれるようです。

工事方法の詳細はわかりませんが、現在、東塔の横に巨大な足場のみの仮設物がたちあがり、工事の困難さ・慎重さが伝わってきます。

薬師寺東塔は各層に張り出した裳階(もこし)により、他の寺社の塔とは異なる形状で、屋根の重なりが美しいリズムを醸し出しています。

再建された西塔や、薬師寺全体の伽藍配置を目の当たりにすると、当時の美学や技術力の高さが感じられます。        (kazu)

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沖縄県は与那原市に建つ教会です。
先月お盆休みに帰省した際見学させて頂きました。
1958年竣工。建築家は片岡献。
世界的な設計事務所SOMによる指導があったとされ
米国近代建築の影響を受けたデザインとなっています。

バタフライ屋根に花ブロックの外観です。


回廊。

ここにも沖縄風アメリカ建築の影響が出ています。


教会内。

バタフライ屋根のスパンを活かして左右の開口部から風と光がはいります。



竣工当時の写真。建物の形が良く分かります。
階段に乗っている子供たちは附属幼稚園の子供達でしょうか。


八月の暑い時期でしたが教会内は光と風が通りぬけ冷房がなくても心地よい空間でした。
以上、沖縄の名建築でした。

Mata

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先日竣工した品川区の住宅では間接照明を積極的に取り入れました。当初は間接照明にすると部屋が暗くなるのではと心配がありましたが、実際に出来上がってみると全体が柔らかな光に照らされ、非常に落ち着く空間だと感じました。天井や壁にできる陰影がとてもきれいです。
光が当たるとエッジが際立つので、照明器具を埋め込んだ壁や天井の施工はだいぶ苦労したようですが…。(aya)

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榛名山の裾野・伊香保温泉に近い「ハラ ミュージアムアーク」を見てきました

品川の、原美術館の別館で磯崎新氏の設計です。

竣工後20年以上経っていますが、古さや劣化はほとんど感じられず、管理の良さがわかります

緑の芝生にチャコールグレーの外壁はそのコントラストが心地よく、青空や夕景が加わると、さらに印象的な外観になることでしょう。

広大で建築条件がない(自由すぎる)敷地内での設計は、建築条件でがんじがらめの市街地での設計と比較して難しい部分も多いのですが、「どこから眺めてもしっとりとした美しさ」をテーマに設計されたのでは?という印象です。また、内外装とも、使用部材の種類を厳選し、必要なものだけの構成 というストイックなコンセプトも感じられます。

のびやかな外観から、かなり大きな美術館を想像したのですが、内部は比較的コンパクトで正直「あれ?これだけ」という感は否めません。内部においても「建築的な驚き」があれば、より印象的な建物になったように思います       (kazu)

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