鈴木大拙記念館
以前訪れた「鈴木大拙記念館」を紹介します。
この記念館は哲学者鈴木大拙にまつわる展示物とともに、
ここを訪れ空間を回遊し体験することで各々が何かしらの思索にふけることを意図された記念館です。
記念館の入り口に至るには二通りのルートがあります。
住宅街から直にメイン玄関に入る方法と、
水面を囲う石の塀の向こう側に隣接する公園側から塀の裏側を歩きぐるりと迂回して玄関に至るルートです。
私はたまたま公園側から歩いてきたのですが、緑豊かな小道から石の塀越しに思索空間の屋根のみがうかがえる第一印象から
、塀沿いに砂利敷の道を進むと途中一か所塀に穿たれた開口から池越しに思索空間を見ることができます。
塀の端部を曲がると、ぱぁっと水面と建物全体が一望でき、その先にメイン玄関があらわれます。
館内は順路に沿って二つの庭を伺いつつ照明の暗めな展示空間をめぐると最後に水の庭にでます。
先程と逆側から池と思索空間のをながめつつ進み最後に何も展示物の無い思索空間に至ります。
移動することで展開する景色、借景をふくめた内側からの眺め、他の来館者がいても静寂を感じる緊張感がありました。
全体のゆったりとした贅沢な構成だけではなく空間体験をできるだけ純粋にするために、枠などが無いかの様に見える突き詰めたディテールもこの体験に寄与していると感じられました。
公園側から徒歩でアプローチすることがおすすめです。