豊かな自然と歴史を有する寄居の地にて、新しい住宅の計画が始まりました。
素晴らしい立地もさることながら、施主様が潤沢に所蔵されている貴重な材木を活かすこと、そして、そこから着想を得て設計を進めていくプロセスが本計画の大きな特徴になります。
先日見学させて頂いた中から一部を紹介させて頂きます。
歴史的建造物や寺社仏閣でしか拝めないような大断面の材木の数々。
3枚目右側に写るのは土台となる六寸角の栗材。
実物の迫力を全ては伝えきれませんが、金属折板の上屋を支える角材(一般的な住宅で使われる太さ)と比較されればその偉容を感じて頂けるかと思います。
(この他にも、12m長の杉丸太、イチョウ材、5,6寸角の檜等々、拝見させて頂きました)
幾重にも刻まれた年輪を数えながら、彼らが生きてきた歳月とともに、立派な建築架構として生きつづけるこれからの時間にも思いを馳せます。
自然の造形美と木の魔力に畏敬の念を抱くと伴に、設計事務所の一所員として一層身の引き締まる思いがします。
物流が発達し情報化した昨今、
弊所がさせて頂くフルオーダーの建築設計は、建材から工法まで自由度が高い反面、設計者は多様化する選択肢の中で「何を使うか」心をくだくことが多くなります。
一方、本計画のように、「どう使うか」考えることも建築への重要なアプローチです。
施主様のお声、そして木の声によく耳を澄まし、美しい住宅を目指し精進して参りたいと思います。
(bob)