「蒲郡の家」 が上棟しました。図面や模型で何度も検討し、確認した骨格ですが、いざ大地に堂々と建った姿を見るのは、やはり大変感慨深い思いがありました。
お施主様のご意向で上棟式を行いました。写真は「好きなおじちゃんにお酒をあげてきてー。」と言われ、どのおじちゃんに渡すか大いに悩む息子さんです。職方の間に「そりゃあ俺に決まっとるわ。」と火花が散っております。
式の締めは餅撒きです。敷地の前の公園で野球やサッカーをして遊んでいた子供達や近所の人々が突如としてシートの上に集合しました。私も子供の頃は上棟式があると必ずどこからか噂を聞きつけて駆けつけたものですが、こういったイベントに未だに人が集まってくるのは、その非日常性に魅力があるのではないかと思います。食べ物を投げると親に怒られましたし、まして空から餅が降ってくるなんて事は普通の人にはないと思います。まあなにやら夢の中での出来事の様でもあります。私もいくつか投げさせて頂きました。食べ物を投げるというのは・・・悪くないです!・・・失礼。
日常の中にこういった非日常を挿入する事は、自分の時間に「節」を作るための知恵だと思います。
数奇屋建築における茶室のもてなしの文化などはそういった非日常性が楽しくてしょうがなかったに違いありません。
情報過多であり、夢のような非日常が日常とボーダレスになりつつある時代ですが、こういった「節」を与えて頂いたお施主様と工務店の方々、職方に大変感謝致します。ありがとうございました!
(choina)